宛先のない便り
September 01,2015
9月です。
新しい 風が 吹くでしょうか。
新学期にね。
命を断つ若い子が多いって
ニュースで聞きました。
それだけ、今ここの自分の
世界がきついのだろうね。
ねえ。君。
広大な宇宙の中の、地球という惑星の中の
日本という国の中の、○○県の中の、○○町の中の
○○区の中の、○○番地の中の、○○学校の中の、
○年○組の中の、小さな机に居る君。
自分のいる場所は、ここだけしかない。だなんて。
自分のいる場所は、ここにすらない。だなんて。
自分のみる世界は、もうここで終わらそう。だなんて。
思ってたりするの?
眼を閉じて。君の机から、
宇宙までの道のりを、辿ってみて。
君をとりまく世界は、
こんなにも広がっているよ。
まだ見ぬ風景。
まだ出逢ってない人たち。
まだ知らぬ想い。
想像がつかないほど、
この世界に散らばって、
君を待っているよ。
「今」を大事になんて、君に言わない。
君のすべてが「今」なわけないよ。
「今」を逃げたってかまわない。
この世界に、永遠なんてない。
この世界に、変わらないものなんて、
なにひとつない。
「今」は通過点。
すべては「未来」へと変化する。
だから、どうか。
未来へじゅうぶん時間をかけて
この世界で 出逢っていってください。
君の心が求めるものに。
宛先のない、風のたより。
風が、運んでくれますように。