1. home
  2. >
  3. blog
  4. >
  5. 2020年
  6. >
  7. 9月

2020年 9月

声を

September 24,2020

少し前にね。

目の前で話していても
「声が小さい!聞こえない」って
私に怒る人がいたの。

ただ言うんじゃなくて、怒るのね。
人の前で怒るの。

 

確かに、大きい声は苦手だから
自分でも出さないけど。

でも、他の人に「声が小さい」って
言われたこと、ないの。
楽しく他でおしゃべりできてるし
まあ、普通だと思うわけです。

 

だから、いつもびっくりするし、いつも納得いかなくて
その人の耳が悪いんだ、もしくは私の話なんて、
初めから聞く気がないから、私の声が届かないんだわ。
って、気にしないようにしてた。

 

 

でも、ふと、最近少し見方が変わって。
もしかしたら、その人はわたしの声を

「誰よりもきちんと聴きたかったし、届かせて欲しかった」

ということだったのではと。

「誰からも気にされなかった」
イコール、「誰よりも、気にしてそう思ってた」
と、そういう見方もできるなって。

 

 

それは、意図的にその人を良く見てあげるとか
わざと菩薩的な視点に立ってみるとか、そういうのと違う。

ただ、本当に、ふと「自分が」そう思っただけ。

 

だって、本当の本当は、その人しかわからないしね。
ただの意地悪かもしれないし、イライラぶつけただけかも
しれないし、本当に耳が悪いのかもしれない。ましてや
その他の人が聞いたら「お人好し」って思うだろうし。

 

 

でも、私は、その視点でみることに決めた。
「ああ、そうだったのかもしれない」って。

 

なぜって。だって、その瞬間。

心がすごく楽になったから。

 

ただ、それを。
自分の中の真実とすれば。

 

それだけでいいのだった。

 

 

 

懐かしき紙切れ

September 10,2020

片付けをしていたら、見つけた。
大事にしていたらしい、紙切れ1枚。

上の息子の(現在大学生)4歳のお誕生日プレゼントに
行ったディズニーランドでもらったものだった。

そうそう、
スペース・マウンテンに乗る〜〜!って
なったけど、まだ小さくて乗れる基準の身長に
足りなかったんだよね。

そのとき、顔が崩れて泣きそうになる息子に
すかさずキャストさんが、
手渡してくれたものだ。

途端に、満足そうな顔になったっけ。

『未来のスペース・マウンテン宇宙飛行士証明書
もうすこし大きくなったら 君ものれるよ。』

日付と内容を見て、懐かしくなって
そそくさと、息子のとこへ行って、

「これ、覚えてる?」と、聞いたら
じーっと見て、「覚えてる」って。

母においそれと笑顔を見せてくれなくなった息子が
その紙を見て、ふと、緩めた顔を見逃さない。

懐かしき日々のことでも思い出した?
幼かった君の記憶は、きっと断片なのだろうけど。

母は確かに過ごした日々を覚えているよ。

 

4歳のときの無鉄砲だった君。
どこかへ行ってしまわないよう、
迷子にならないよう、ケガをしないよう、いつも
外では手を繋いで歩いた。人混みは特に、しっかりと
その危なっかしい小さな手を離さなかった。私が。

「ママ!ママ!見て!見て!」って、しーーって
大きな声のおしゃべりを抑制する時もあったね。

少し気難しくなって無口になった大学生の君とは、
もちろん、もう、人混みの中さえ 手を繋いでは、歩かない。

君の過ごす毎日を、知りたいけれど、君はもう目に映るものを、
母にいちいち報告なんてしない。きっと、知って欲しいとも
思ってなかろう。うむ。

君の手を離すことが怖かったのに、
いつからか手を繋がなくなって、
君はひとりで行動できるようになって、
遠くに行っていろんな体験をするようになって
母の見ている日常と君の見ている日常は
どんどん同じではなくなっていった。

そう、ディズニーランドだって
母と一緒には、もう行かないじゃん。

行くなら、友達とだもんね。

 

そうだ、そうだった。

 

目の前の過去を象徴する紙切れ1枚で
深く納得する。

うう……成長したんだなあて。

君はもう、軽々と条件だった身長もクリアして
堂々と宇宙へもいける飛行士じゃないか。

 

ずっとこの証明書、母が持って
しまい込んでいたけれど。

「はい。…これ、渡しとくわ」なんて感無量で
卒業証書授与みたいに、息子に仰々しく渡す。(今さら)

「お母さん、持ってていいよ」
速攻、携帯見ながら返される。

 

ちょ、あっさりだな……。

 

……ま、そうですよね。

もう、君に証明書なんて、いらないし。
スペース・マウンテンにこの紙がなくたって
君は、堂々と易々と乗れるし。

むしろ、これが
必要なのは、今の私の方だね。
ありがと。息子よ、わかってるね。

 

小さな君との思い出を大切にしまっておく。